睡眠障害(不眠症)について
一過性不眠と短期不眠は、普段はよく眠れている人が種々のストレス状況の変化のもとに不眠を呈してくるもので、作用時間の短い睡眠薬を単発あるいはアドリブ的に数回の範囲内の使用にとどめうるので、あまり問題はありません。ただし、ストレスによる短期不眠はスレスの持続のもとに長期不眠へと移行し得るので、ここで十分に治療しておく必要があります。
問題は睡眠薬の長期服用が必要となる長期不眠で、その原因から分類すると、精神生理性不眠(神経質性不眠)、身体疾患に伴う不眠、中枢神経疾患に伴う不眠、精神科疾患に伴う不眠、アルコール・薬物使用に関連する不眠、老人性不眠、概日リズムに関連した不眠があります。
いわゆる不眠症のほとんどは精神生理性不眠に属します。この不眠症も精神運動機能に悪影響を及ぼし、QOL(生活の質)の低い生活をしいることになるため、医学的治療の必要な病態であり、積極的治療が必要とされます。
*いずれの不眠症でも、下記の眠りに適した環境づくりを心がけてください。
寝室は睡眠をとるためだけに使用する(テレビなどをおかない)
温度(20〜25℃)・湿度(50〜70%)・照度(出来るだけ暗く)・音に配慮
就寝前にはコーヒー・お茶・チョコレートなどを摂らない
リラックスのための軽い入浴
規則正しい生活
日中の適度な運動
適度な食事
眠ろうと意識しすぎない